元サッカー日本代表の高原直泰さんは、スポーツ産業を通じて地域貢献を目指すべく、サッカーを軸としたスポーツクラブ「沖縄SV」を設立しました。しかし、スポーツだけではなく、同時に農業にも挑戦しています。目指すのは、生産、加工、販売までを自社で行い、「沖縄県産のコーヒー」を産業化すること。そのために課題の 1 つとなっていたのが販売フェーズでの「認知」です。そこで、P-MAX キャンペーンと検索広告(リスティング広告)を活用。Google の AI の力によって、月平均購入者数 184% を達成しました。
指定期間での月平均購入者数
紹介企業について
元サッカー日本代表 高原直泰さんは、沖縄県で主要な産業となっている観光、IT に次ぐ 3 つ目の分野としてスポーツ産業を創出するため、サッカーを軸としたスポーツクラブ「沖縄SV」を立ち上げました。しかし、「せっかく自分がやるのであれば、沖縄という地域に何かを還元したいと考えていました」と高原さんは話します。さらには、選手のセカンド キャリアとしての受け皿になるようになど、多角的な視点で考えた末に「農業」をもう 1 つの事業として選択。「沖縄県産のコーヒー」を自分たちで育て、販売していくことを目的に、沖縄SVアグリ株式会社を設立しました。
「Google 広告によってお客様に商品を知ってもらえるようになり、沖縄県産のコーヒーの産業化という挑戦に心置きなく取り組めるようになりました。」
沖縄SVアグリ株式会社
代表 高原 直泰 様
事業への想い
「とあるつながりの中で、沖縄で地元の方たちと一緒に自然栽培をやられている方とお会いする機会があり、そこで人参の間引きや収穫をしたり、バナナを植えたり、農業を体験させていただきました。そうした中で、沖縄での一次産業のリアルが見えてきたんです」と、高原さんは当時を振り返ります。沖縄では耕作放棄地が増えたり、担い手が不足したり、そのような農業に対する課題が直に感じられたといいます。
「これらの課題を自分たちが関わることで何とかできないか」そう思った高原さんは、どんなものを作ればよいかを模索。方向を示してくれたのは、沖縄でコーヒーを栽培している方との出会いでした。「実は沖縄で昔からコーヒーが栽培されていると聞いたときは、率直におもしろそうだなと思いました。これを名産品にできれば、十分に産業になり得るのではないかとワクワクしましたね」という高原さん。
沖縄は、赤道を挟んで南北 25 度のコーヒーベルトからわずかに外れているため、コーヒーの栽培は難しいとされています。ですが、逆をいえば、日本でコーヒーを産業にできる可能性があるのは沖縄だけということです。とてもチャレンジングですが、「この地域だけでできる、国産のコーヒー」という価値を生み出すことができれば、自社にも沖縄にも大きなプラスになると期待されて、事業を立ち上げることを決められました。
課題
2019 年、高原さんは沖縄県産のコーヒーの産業化への道をスタートさせました。沖縄でコーヒーを安定して栽培するための研究から開始。土地に合った品種を選定して苗木を育て、最初の収穫を終えて現在は栽培の 2 サイクル目に入っています。育成は順調に進んでおり、近い将来には流通させることができるほどの収穫量になる見込みです。
安定した収穫量を確保できるようになったところで、高原さんはどのように販売していくかということに悩んだといいます。「私たちは、コーヒー豆の栽培から加工、販売までを行う 6 次産業を目指しています。そのため、自分たちで育てた沖縄県産のコーヒー豆の収穫が安定するまでに、加工と販売の部分を強化するための最適な方法を探していたんです」と、高原さんは話します。そして、海外産のコーヒー豆を仕入れて加工し、沖縄SV の試合会場やキッチンカーを使っての販売を行いました。
「お客様からは、よい反応をたくさんいただけました。これまでのコーヒーの印象を変えていけるようにと、苦味が少なくて、スッキリとした味わいに加工したことがよかったのだと思います。ただ、経営者としては、もっと販売力を高めていかなければ、自分たちで資金を稼げる事業にはできないと考えていました」対面での販売だけでは効果的に拡販をすることができないため、高原さんは 2024 年に EC サイトを立ち上げ、クラブチームのウェブサイトや SNS での発信をしていきました。
「私たちの商品をたくさんの人に知ってもらおうと思いつく限りの方法を試しましたが、売上は思うように伸びていきませんでした。どうすればお客様に知ってもらえるのかと相当悩みましたね」という高原さん。そのような課題を解決するために Google 広告を活用することになりました。
解決策
高原さんが Google 広告に期待をしたことは「認知」です。そこで、専任のサポート担当からアドバイスをもらいながら、検索、ディスプレイ、YouTube、Discover、Gmail など、Google の各プラットフォームに広告を配信できる P-MAX キャンペーンを実施。さらに検索で上位表示をさせるため、検索広告(リスティング広告)も併せて開始。複数の広告を組み合わせ、Google の AI を活用することで潜在顧客へのリーチを最大化させていきました。
まず、検索広告のキーワードの追加や効果の低いキーワードの削除などの改善を自動的に行ってくれる「自動適用」、自動的に広告の単価を最適な状態に調整してくれる「自動入札」を活用しました。「どちらも Google の AI による機能ですが、自動的によいパフォーマンスにしてくれるなんて驚きでした。特に自動適用は、たった 3 秒程度の設定しか必要なく、こんなにも簡単なのかと」と、高原さんはその簡便性を話します。
また、検索広告(リスティング広告)では、自動入札と最も相性のよいインテント マッチを活用しました。これにより、興味 / 関心や購買意向の高い、関連する検索語句を的確に捉え、テキスト広告(見出し、説明文)も随時変更して、成果を向上させていきました。
結果
Google 広告の効果はすぐに顕著に現れました。配信後 2 か月で、月平均購入者数が前年の指定期間と比較して184% になったのです。
「冬場は特にコーヒーの需要が高まる季節でもあり、コーヒーを求めるユーザーに対して、Google の AI が的確に広告を配信してくれたおかげで、飛躍的に売上を伸ばすことができました」と、高原さんは笑顔を見せました。
まとめ
「これまで、どのようにお客様に知ってもらうかで悩んでいたことが嘘のように、Google 広告の効果には驚きっぱなしです。正直、デジタル広告については難しいことが多いんだろうなと思っていましたが、まったくそのようなことはありませんでした」という高原さん。
さらに、「認知に対して悩むことがなくなったおかげで、経営者としての幅が広がったと思います。知ってもらえるということが前提になったので、知ってもらった人たちにどうやったら購入いただけるか、その戦略を考えることに時間を使えるようになりましたから」と話します。
Google 広告の導入により、経営者としてのコア業務に集中する時間を増やすことができた高原さん。今後は、本格的に自社でコーヒー豆の栽培から加工、販売まで行うためにノウハウとスキルを向上させ、自社で資金を稼げる仕組みを強化していく方針です。そして、農業を営む誰もがコーヒーを生産して販売できる土壌を作り、「沖縄県産のコーヒー」というこの土地だけの付加価値で地域活性化への挑戦を続けていきます。